
横井勝己とよっちんファミリーの
「震災メモリアルソング創作プロセス」 byよっちん。
−阪神大震災復興支援:見上げた空に&美しい人達−
連載:その@ 97/01/15あの震災後、横井勝己の無事を確認してからは、
音楽ボランティアとして被災地へ足をはこんでいました。ある日、支援していたボランティアグループから連絡があり、
NHKラジオジャパンの震災特別報道番組のテーマソングを
書くことになったのです。
突然のことですが、海外からのボランティア達を見ていて、
彼らの母国にも、”今”の実情をつたえたいと思っていた
矢先だったので、快く引き受けました。
ただ制作に与えられた日数が少なかったため、
プレッシャーも相当のものだったのを記憶しています。出来れば、現地で被災した横井の言葉をおり込んでと思いましたが、
出る言葉が、直接すぎて(リアルすぎて)とても、歌詞になりうる
ものではなかったのです。
又、仲間の明田の出す言葉は良い意味でリアルさに欠けすぎていた。とてもまとまりそうにないので、僕は、一つの提案をしました。
海外へ発信する番組のテーマに、
是非、ボランティアのことを歌い込みたい、
そして、詩そのものが、碑文になるようにまとめようと。横井と明田、双方の出した言葉を尊重しながら、
僕がまとめ上げたのが、今の「美しい人達」の詩です。レコーディングは僕の自宅スタジオで行いました。
公団住宅、いわゆる団地の四畳半の部屋で、
8トラックオープンリールテープに収められたものが、
世界22ヶ国語圏に放送されたことになります。
レコーディングについやした時間は約四時間。
思ったより早く終わりました。
作品はすぐにDAT(デジタルオーディオテープ)にダビングされ、
NHKに手渡されました。かくして、放送は始まり「美しい人達」はオープニングテーマとして
流されたのです。
しばらくして、NHKから、再度連絡が入りました。
もう一曲作ってほしい、しかも放送は目前、3〜4日しかない状況でした。
そして、曲を持って、上京し、番組に出演する様にとのことになり、
急ピッチの作業が始まりました。前作同様、詩に重点を置きたかったので、長く聞けて、
優しい表現の中に切実なものを感じとれる、そして、
聞くほどに、心にしみ込む様に心がけてもとめあげました。
レコーディングは、同じ自宅スタジオ、収録にかかった時間は
およそ2時間。ただしこの時点では完成品の様に、
間奏部分に「実録の音のコラージュ」は収録しておりませんでした。
仕上がったものを、DATにダビングし、東京へと急いだのです。詩の一節に
「失って気がついたこと、平凡、て素晴らしい」というのがあります。
おそらく、被災したほとんどの方がそう感じたことと思います。
又、「真心にふれあえた日々、僕の中に生まれた。もう一度立ち上がる勇気、
そして歩き出す力」というのがあります。
ここでいう「真心」とは広い意味で支援のことをさします。
実際、ボランティアに参加していた僕たちでさえ、若いボランティアの
動き回る姿は目を見張るものがありました。
彼らの中に今もきっと、あの頃の記憶が鮮明に残っているものと思います。こうして出来上がった2つの作品は、
被災したすべての人々と支援に集まったすべての人々、
そして、遠くからでも心から被災地を気遣ったすべての人々へ贈った
「メモリアルソング」なのです。(小林 善彦 記)
つづく
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Updated by Hiroshi Narazaki 97/01/15
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