January,1999

Ch. Haut-Brion '70
(France-Bordeaux)
シャトー・オー・ブリオン

Ch. Reysson '95
(France-Bordeaux)
シャトー・レイソン

Ch. de Sales '95
(France-Bordeaux)
シャトー・ド・サル

Bourgogne Cote Chalonnaise Les Clous '95
(France-Bourgogne)
ブルゴーニュ・コート・シャロネーズ・レ・クロ

Crozes Hermitage '93
(France-Cotes du Rhone)
クローズ・エルミタージュ

Merlot Vin de Pay d'Oc '96
(France-Languedoc Roussillon)
メルロー・ヴァン・ド・ペイ・ドック

Banyuls (Vin Doux Naturel) '95
(France-Languedoc Roussillon)
バニュルス(ヴァン・ドゥー・ナチュレル)

Barbera d'Asti "Passum" '96
(Italy-Piemonte)
バルベーラ・ダスティ”パッシウム”

Markham Merlot '95
(America-California)
マーカム・メルロー



France-Bordeaux

Ch. Haut-Brion
シャトー・オー・ブリオン

グラーブ 赤 (CS50,M35,CF15,) 
('70 \32,000)

 1855年、メドック地区の格付けの際、あまりにも当時から定評があったため、グラーブ地区ながら例外的に第1級に格付けされたオー・ブリオン。英国で最初に有名になり、初めて単独シャトー名を名乗ったのも、このワイン。ステンレスの発酵タンクも早い時期から導入し、現在も意欲的なワイン造りをしています。
 この70年のオー・ブリオンは、前から保管していた物なのですが、あまりにその色が奇麗なので、まだまだいけると思っていたワイン。
 実際、開けてみると、28年も前のワインとは思えないほどの色と艶。澱の量が少ないのは、多分、オー・ブリオンはこの頃からフィルターをかけていたためでしょう。
 本当に魅惑的な香りです。優しく甘い香りとスパイシーで、様々な香辛料を混ぜ合わせたようなニュアンス。これがこのワインの魅力なのでしょう。味わいは意外にも細やかなタンニンが主張し、渋味と酸味がそれぞれバランスを取り合っているような感じ。
 グラーブのワインを飲みなれていない私には、非常に複雑に感じた1本。是非、もう一度飲んでみたい。


Ch. Reysson
シャトー・レイソン

オー・メドック 赤 (CS60,M40) 
('95 \2,800)

 88年に日本企業のメルシャンが買収したシャトー。よく、雑誌の広告にも出ていますので、知ってる方も多いはず。日本の技術陣が品質向上に努力しているとの事。畑はサンテステフ村の東隣(内陸)にあるヴェルトゥイユ村にあります。
 ずっしりとした飲み口。どこかソシアンド・マレに似たようなスタイル。だけど、何かが足りない。全体的にまとまっているのに。がんばれ、ニッポン。


Ch. de Sales
シャトー・ド・サル

ポムロール 赤 (M70,CF15,CS15) 
('95 \4,200)

 ポムロールのワインが高価な理由に、栽培面積が小さい為、生産量が少ないという事があります。ペトリュスで11.4ha、トロタノワで7.2ha、ル・パンはたったの2ha。量が少ないがゆえに、需要が多いと価格が高騰するという傾向にあります。
 このシャトーは、ポムロールの北のはずれにあり、畑はこの地区で最大級の面積(47.5ha)。といってもメドック地区だと普通の大きさ。この地区にしては生産量が多いため価格も品質も安定していると言われます。
 面白いワインでした。開けてすぐの時には、色、香り、味、すべてがまるでボージョレのよう。とても活々として、フレッシュなんです。そして1時間後には、色まで変化し、メルローの優しさと優美さが感じられました。95年は、もう少し待っていいヴィンテージかもしれません。



France-Bourgogne

Bourgogne Cote Chalonnaise Les Clous
ブルゴーニュ・コート・シャロネーズ・レ・クロ

コート・シャロネーズ 白 (Ch,PB)
('95 \3,000)

 ドメーヌ・ド・ヴィレーヌは、ロマネ・コンティ社のオーナー、ヴィレーヌ家がコート・シャロネーズに所有するドメーヌ。ここの赤(ラ・ディゴワーヌ)を一度飲んでみたいのですが、なかなか見つからない。ラ・ディゴワーヌが「庶民のロマネ・コンティ」なら、この白は「庶民のモンラッシェ」か???
 前に飲んだ、アリゴテ・ド・ブーズロンと同じく、酸味がとてもスッキリしています。コート・シャロネーズという土地柄か、果実味ではコート・ドールのワインにはかなわないものの、全体の調和を保ったきれいな印象でした。
(ドメーヌ・ド・ヴィレーヌ)



France-Cotes du Rhone

Crozes Hermitage
クローズ・エルミタージュ

クローズ・エルミタージュ 赤 (シラー)
('93 \2,080)

 1985年にパリから南フランスのクローズ・エルミタージュに移り、それまで評価の低かったこのエリアを知らしめたアラン・グライヨ氏。今ではこの地区の三本の指に入ると言われる造り手です。
 93年ながら、非常に濃い赤紫色。最初の香りはしっとりとして、「やった、飲み頃」と思ったのですが。
 この地方の特徴でしょう、よく黒胡椒と表現される香りやスミレの花。香り全体をイメージで表現すれば、その色の通り「紫」です。飲むと力強いタンニンがはっきりと感じられ、渋味、コク共に十分です。
 確かな造りは、評判通りですが、飲む時に食事を考える必要があるように感じました。おつまみ程度じゃちょっとつらいかな。この品質にしてこの価格ですから、デイリーワインというより、レストランで飲みたい1本です。
(アラン・グライヨ)



France-Languedoc Roussillon

Merlot Vin de Pay d'Oc
メルロー・ヴァン・ド・ペイ・ドック

ラングドック 赤 (メルロー)
('96 \1,200位 500ml)

 バロン・フィリップ・ド・ロートシルト社と言えば、メドックの1級、シャトー・ムートン・ロートシルトを所有している会社。そして、フランスでも大手のネゴシアンです。
 これは、南仏でムートンが造るメルローのヴァン・ド・ペイ。このワインの事は知っていたのですが、500ml瓶があったのですね。一人の時や、あまり多く飲めない時には丁度いいサイズ。他にも、カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランがあるようです。
 味は、ボルドーのメルローという訳にはいきませんが、思ったより色も濃く、ボディーもしっかりしていました。最初は、酸味が強く「すっぱい」と思ったのですが、段々調和がとれてくる辺り、さすがにムートンという感じ。
(バロン・フィリップ・ド・ロートシルト社)


Banyuls (Vin Doux Naturel)
バニュルス(ヴァン・ドゥー・ナチュレル)

ルーション 赤 (グルナッシュ他) 
('95 \2,500 500ml)

 バニュルスは、ルーション地方のアペラシオン。ここで、有名なのがヴァン・ドゥー・ナチュレル(天然甘口ワイン)。発酵の途中でブランデーを加え、甘味を残すフォーティファイド・ワイン(酒精強化ワイン)です。
 これは、ローヌの有名な生産者、シャプティエが造るバニュルスです。外観は本当に普通の赤ワイン。やはり、ポートにも似た味わいなのですが、よりアルコールを感じ、糖度の高いのが特徴です。それにしても、赤の甘口というのは面白い。
 今回は、デザート・ワインとして頂いたのですが、これを割って食前酒で飲むのもいいかもしれない。
(M・シャプティエ社)



Italy-Piemonte


Barbera d'Asti "Passum"
バルベーラ・ダスティ”パッシウム”

アスティ地区 赤 (バルベーラ他)
('96 \4,500)

 あのアスティ・スプマンテで有名なアスティ県でバルベーラ種を使って造られるのがバルベーラ・ダスティ。このパッシウムというワイン、その大胆な一筆書きのボトルデザインが印象的です。
 ブドウを一度、陰干しして乾燥させ、小樽にて熟成させるという事。香りはなぜかカベルネ・ソーヴィニヨンに近く、気品があります。最初に甘味を感じ、口当たりがいいのですが、その後に様々な味の要素が出てきて、最後にはしっかりした渋味が残ります。外見と中身の伴ったワイン。パーティーなどには最適です。DOC。
(カッシーナ・カストレット社)




America-California


Markham Merlot
マーカム・メルロー

ナパ・ヴァレー 赤 (メルロー他)
('95 \4,800位)

 マーカム・ヴィンヤーズ、このワイナリーも87年にメルシャンが買収し、経営参加。その後、全栽培面積の4分の3の古いタイプの樹を、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、ソーヴィニヨン・ブランに植え替え、醸造設備も刷新し、新樽を大量購入。その努力の結果、このワインは93年の「全米メルロー・オブ・ザ・イヤー」に輝きました。
 実際に本国アメリカでの人気もとても高いそうで、アメリカに行った友人が、現地の人に「これ美味しいから飲んで」とプレゼントされたもの。
 とても濃い赤紫で、豊富な果実味。味わい深いのに全体のバランスがとれていて、飲みやすい。とてもいいワインです。
(マーカム社)



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