Macintosh でアラビア語


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Macintosh(System 7.5.x)で(Language Kit を使わずに)複数の言語を扱う方法を探るコーナーです。



Mac に興味のない人には、全然役に立たないでしょう。

「Language Kit を使わずに」というのが要だったのだけど、1998年10月に Mac OS 8.5 がリリースされてしまいました。こいつは、わざわざこんなコーナーを作るのが嫌になってしまうくらいマルチリンガルなやつで、アラビア語・ヘブライ語・ヒンディー語・サンスクリットなどの1バイト言語は、表示だけでなく入力もできてしまうらしいです。

中国語・ハングルも(無論日本語も)、表示は可能だそうですね。基本的なフォントも揃っていて、カスタムインストールすればいいだけだとか(Language Kit の機能の一部がシステムに組み込まれる)。非常に喜ばしいことですが、こうなるともう、「Macintosh でアラビア語」なんていう企画は完全に時代遅れであります。

しかし、筆者は当分 Mac OS 8.5 を使えないでしょう。PowerMac とは縁がないですから。
というわけで、しばらくの間は、ここに書いたような方法でアラビア語を扱うことになります。
68K Mac を使っている人には、多少は参考になるかもしれません。


筆者の環境

  • ColorClassic : System 7.5.3(+日本語)
  • Centris 660AV : System 7.5.5(+日本語+アラビア語)
  • 2GB外付けHDD(System 7.5.5+NetBSD/mac68k 1.4)

システムの改造ということに、過大な不安を抱く必要はないと思いますが、自分で試される場合には、最低限の安全対策(バックアップを取るとか、診断・治療ユーティリティを用意しておくとか。緊急起動用ディスク、システム再インストール用のディスクは手元に不可欠)と、「自分の判断には自分で責任をもつ」という覚悟が必要でしょう。筆者も自分のシステムの面倒は見れますが、あなたのシステムに対しては無力(で無責任)なのです。

以下の話は、基本的に「System 7.5」および「System 7.5.5」と「漢字Talk 7.5」ベースのものです。




その1 日本語編

1-1: アラビア語...の前に


日本語ですよね。

最初に接した Mac は漢字Talk 7.5 の ColorClassic で、始めはうれしいばかりで何とも思わなかったのだけど、使い続けるうちに、「これは遅い」ということが徐々にわかってきた。なんとかしたいけど、ハードウェア的改造は(様々な事情から)困難だった。

そんな時、英語 System に簡単なパッチを当てれば、日本語が扱えるようになる、動作速度も向上する、という記事を読んだのが、言語改革計画に着手するきっかけ。

(G3 で OS 8.5 使ってたら、そんなこと考えもしなかったに違いない)。

速度を別にしても、漢字Talkの「Osaka」ベースのしょぼいメニューやダイアログにも飽き飽きしてたし、わざわざ英語システムとして起動させて(「option + E」を押しとく)、文字化けした画面を見ながら「Chicago って美しいなあ。これがホンマの Mac や」と感動していた。

美しいのはいいけど、文書作成が中心の身としては、日本語が使えないのは不便で仕方ない。英語システムが入手できたのを幸い、改造に挑戦する。

[ToC]



1-2: 英語システム、インストール


まずはインストール、だけど、漢字Talk が動いている内蔵のハードディスクが1個あるだけなので、複数のシステムを共存させることになる。これはあまり望ましくない、ということになっている。パーティションを切ればいいんだけど、面倒くさい。

で、同一ハードディスク上の複数のシステムを切り換えて使うための道具を、用意する。「SystemSwitcher」ていうソフトがよく知られているけど、さる本(日永田仁『Macのお医者さん』ナツメ社)によると「ヴァージョン 1.1.1 以降を使うべし」なのに、「ヴァージョン 1.1」しか入手できない。なんとなく不安なので、同様の仕事を行う「System Picker」を使うことにする。

英語システムを新規インストール。
(インストール方法を選ぶダイアログ画面で、「command + shift + K」を押すと、「新規インストール」と「上書きインストール」を選択できる)。

インストール終了後、再起動すると、英語システムが起動システムになっているので、System Picker を使って漢字Talk(たぶん「Previous System Folder」という名前になってる)を起動システムに設定する。

(その後、HDD を増設。System Picker は起動ディスクの切り換えにも使えるので便利)。

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1-3: 日本語用パッチ


以降、漢字Talk(もしくは日本語用にローカライズされたシステム)と英語システムが共存中の Mac、という前提で話が進みます。

いよいよ、記事を参考に ResEdit でパッチを当てることにする。2箇所書き換えるだけ、という非常に簡単な作業。

  1. 英語システムの「System」スーツケースを ResEdit で開く。
  2. 「itlc」リソースの「ID=0」を開き、「System script code」を「1」にする。
  3. 「itlb」リソースの「ID=0」を開き、「System FOND」を「16383」にする。

これだけ。

#言うまでもないことですが、起動システムの System を ResEdit で開いたりしてはいけません。System に限らず、ResEdit でリソースに手を加える時は、コピーを作ってそれを開くか、バックアップとして保存しておくのが常道です。

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1-4: 必要な機能拡張ファイルなど


もちろん、それだけでは、日本語の読み書きが出来るようにはならない。漢字Talk で、日本語の処理に関係してそうなファイルを、全部コピーしてやる。


閉じた「System Folder」にまとめてドロップしてやれば、機能拡張書類やフォントは、適当な場所に置かれる。
IM用のファイル(辞書など)は、手作業で移してやる。「機能拡張」フォルダに入っているものは「Extensions」フォルダへ、「初期設定」フォルダのものは「Preferences」フォルダへ。

なお、「フォント機能拡張 3」はPower Macでは必要ないそうです(情報提供してくれた吉岡氏に感謝)

ようし、これで日本語も大丈夫。

[ToC]



1-4-1: 機能拡張ファイルの重複に関する註


カスタムインストールで「International Support」をチェックしてインストールした英語システムには、多言語対応のための機能拡張ファイルやキーボードリソース等が既に入っています。

そのうちのいくつかは「1-4」で追加する機能拡張ファイルと同じものなので、重複しているとぶつかって不具合が生じます。どちらかを外しましょう(どうせなら英語版の方を残したい)。

Icon英語版日本語版
[IBS]InputBackSupport丸漢サポート
[IS]Inline Supportインライン追加機能
[FE1]Font Extension 1フォント機能拡張 1
[FE2]Font Extension 2フォント機能拡張 2
[FE3]Font Extension 3フォント機能拡張 3
[ -> GIFイメージ]

#「InputBackSupport」と「丸漢サポート」がぶつかって文字化けが発生、という事例が起こりやすいようです。

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1-5: 必要なリソース


実は、まだ足りないものがあります。

「インターナショナルリソース」と「キーボードリソース」が必要です。
こいつらを漢字Talk の「System」スーツケースから取り出して、英語System の中に移植してやらないといけません。

キーボードリソース

ローマ字 - JIS
これは「System」スーツケースを開くと見えるから、おなじみかも。

「Roman - JIS」「かな - JIS」「カナ」「ローマ字」「ローマ字 - JIS」の5種類。

でもきっと、隠れているリソースがひとつあります。

インターナショナルリソース

日本語
こちらは普段は見えない(勝手に削除されると困るからでしょね)。

System の中にひっそりと潜んで、「日本語システム」としてのアイデンティティを与える。

[ -> GIFイメージ]

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1-6: リソースの取り出し方


上に書いたように、この2種類のリソースは、普段は隠れていて見えません。筆者のような人間が、不用意に手を出してしまうのを避けるためでしょう(賢明)。

こいつらを取り出すには、いくつか方法があるようだけど、いちばん簡単なのは、英語システムから起動して、漢字Talk の「System」スーツケースを開いてみること。

「option + E」を押して起動すれば、漢字Talk も英語システムとして起ち上がります。この手を使えば、System Picker で起動システムを変更する手間が省けます。英語版の緊急起動用ディスクがあれば、それを使ってもいい。

そうして「System」スーツケースを開くと、こいつらはちゃんと姿を現しているはず。日本語関連のキーボードリソースは、名前が文字化けするから、それとわかります。インターナショナルリソースも、アイコンで判別できるでしょう。まとめてコピーします。で、通常の漢字Talk の上で正体を確認。

そうやって取り出した「インターナショナルリソース」と「キーボードリソース」を、英語版「System」スーツケースの中にドロップしてやる。

これで作業は完了。再起動すると、Finder 上でもアプリの中でも、日本語が使えるようになります。

#備考:

「option + space」を押したまま起動すると、システムスクリプトとローマンスクリプト以外は無効になる。無効になったスクリプトのリソースは見えるようになるので、取り出すこともできる。

というやり方もあるけど、通常の漢字Talk でこの方法を使っても、システムスクリプトが日本語なので、日本語のスクリプトは無効にならず、見えるようにもならない。従って、日本語スクリプトのリソースを取り出すことは出来ない。だから、この方法を使うなら、あらかじめ ScriptChanger 等で、システムスクリプトを Roman にしておく必要がある。

上で書いたように、「option + E」を押して英語システムとして起動した方が、話は早い。

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1-7: JLK(Japanese Language Kit)


えー、これも言うまでもないことですが、JLKを使えば、英語システムで日本語を扱えるようになります。しかし、それでは話にも何にもなりません。

たぶん、JLKのインストーラも、似たようなことやってるんでしょうね。機能拡張入れて、フォント入れて、IM入れて、リソース入れて。さらに言うなら、漢字Talk 自体、上と同じようなプロセスを経て、日本語の処理が可能になってるわけだし。

さて、上の方法による日本語化には、一つ大きな難点があります。

「itlb」リソースの「ID=0」を開き、「System FOND」を「16383」にする。というプロセスで、システムフォントを「Osaka」にしているので、見た目が漢字Talkとほとんど変わらないんですね。メニューやダイアログは英語化されるけど、Osakaで表示されたんじゃあね。「About This Macintosh...」などの「...」も文字化けするし。

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1-8: Osaka を改造する


#これは「非おすすめ」。
「Font Patchin'」や「Reliever」に任せるのが賢明です。

フォントを置き換えてくれる「Font Patchin'」等の存在は知っていたけど、入手できていなかった。
仕方ないので、直接的非常手段を取りました。

ResEdit を使って、Osaka の英数部分だけを Chicago に置き換える。という方法ですね(そういうフォントは既に存在する、ということも知っていたけど、それも入手できていなかった)。100文字ほど書き換えるだけなので、手間は知れてる。

(Osaka の「NFNT」リソースを修正するわけだけど、「FOND」リソースの方で文字幅とかも調節して Chicago に合わせてやらないとフォントが壊れてしまうので、注意が必要。筆者は ResEdit が発するこの警告を無視して、奇妙な目に遭いました)。

「これで見た目も英語システムだ」と喜んでいたところへ、幻の Copland 用システムフォント「Espy Sans Bold」が出回り始めて、こいつがすっかり気に入ってしまい、Chicagoからこっちへ変更(同様の作業、再び)。

Mac OS 8.5 では、「Osaka Bold」というたくましいフォントがインストールされるらしいので、こんな面倒なことをしなくてすみます。

「...」などの文字化けは、NoMeMo Busters 他で対処します。

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1-9: Espy フォントの入手法


  1. 「Apple Guide」または「Apple ガイド」を用意します。
  2. 作業用のコピーを作ります。
  3. ResEdit などで、タイプを「FFIL」、クリエータを「DMOV」に変更します。
  4. すると、Apple Guide はスーツケースに変身してしまいます。
  5. それを開くと、 Espy シリーズのフォント(Sans、Sans Bold、Serif、Serif Bold。それぞれ、9、10、12、14、16ポイント)が入っています。
  6. 好きなフォントを取り出して、「フォント」フォルダへ移せば、使えるようになります。

筆者が試したのは、「System 7.5.3 へのアップデータ」からインストールした「Apple Guide」です。
漢字Talk 7.5 の「Apple ガイド」からも、同様の手順で Espy フォントを取り出せました。
(7.5 の時代から、Espy シリーズは存在していたわけですね)。

参照:「Aaron」(Greg Landweber 作)付属のドキュメント。

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1-10: ScriptChanger


ScriptChanger や ScriptSwitcher 等の、システムスクリプトを切り換えてくれるユーティリティを利用すれば、わざわざ ResEdit を使って System にパッチを当てなくてもいいです。

#日本語関係のファイルとリソースは、同じように準備しないといけないけど。

さらに、英語システムの上で日本語を扱うだけなら、ResEdit で System を書き換えてしまえば済むんですが、日本語・アラビア語・英語を切り換えて使おうというような場合には、いちいち System を開いて書き直すのは大変です。

そういう場合にも、ScriptChanger や ScriptSwitcher があれば、簡単にメインスクリプトを切り換えられるので、導入しちゃうのが正解でしょう。

筆者は ScriptChanger を使っています。

[ToC]


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Last Modified : Apr 9, 2000