プレーヤGT-2000が発売された翌年、つま恋で開かれたDEセミナーで、GT-2000の成功に気を良くした鈴木氏が、昼食時にテーブルの私の向かいに座った。オーディオの設計の人も一緒だった。簡単に昨年の例を述べた後『他に何か有りますか?』と、切り出してきた。ちょっと失礼だとは思ったが、まあアイデアが無いわけでは無かったので、「オーディオファイルの夢である、超低音を鳴らす事です。」『大型のスピーカーということですか?』 「いいえ、そうではなくて、レゾネーターを鳴らすんです」 『レゾネータってなんですか?』 「一種の共鳴器です。大きさではなくて、内部の空洞と開口部で共鳴音域が決まります。吸音にも使いますが、瓶の口を吹くと鳴るようにレゾネータも鳴らす事ができるんです。」私の隣にいた友人の平田氏が助け船を出した。「オートバイのマフラーなんかもそう。ごっつい低周波が出よる」 『・・・・』 私は続けた「バスレフもレゾネータの一種ですが、もっと低い音に設定できる筈です。」『しかし、インピーダンスが高くて鳴らないのでは?』 「そこなんです。決して新しい技術じゃありません。ヤマハにはB−4というパワーアンプが有りますね。負性イン
ピーダンス。あれを応用できるんじゃないでしょうか?」平田氏が、ナイスフォロー「マイナスにすると、普通のバスレフでも低音がドーンとでてくる」『・・・・』
心の準備が無かったこのお二人には、難しすぎる話しだったようだ。しかし、しっかり脳裏に刻んでいただけたらしい。
実に、5年後、オーディオフェアで衝撃的なデビューを飾った。アクティブ・サーボ・テクノロジーとして。
ほんとに ご苦労様。よく忘れずにいてくださいました。
この鈴木氏は、1992年に、ヤマハを退社された。退社前は九州のヤマハ電音サービスに勤務されていたそうだ。