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「母の歩みでもある箪笥を、もう一度、使えないでしょうか」。
こうした相談を受けたのが始まりでした。自分が母となり、娘を嫁がそうとするときに、
母の母が娘に伝えたであろう愛情がひしひしと感じられる、そういわれるのです。
「簡単に捨ててしまえるものではありません」。こんな思いをおもちの方は、少なくいないはずです。
その感情と先人の技の結晶を何とか活かしたい、と、私たちは古い箪笥を集め、抽斗の前板部分を取り出し、
枠は新しい桐材を用いて、現代の住宅に合うサイズにつくり直しました。
抽斗の前板は全て古い箪笥のものを用いています。
色や形が異なっているのはそのためですが、パッチワークにすることで、一人一人の思い出が一枚一枚に蘇り、
デザインとしての面白さも高まったといえます。
「モノを大切にする、日本人の美徳」を22世紀にも引き継いでいければ、
そんな願いを込めて創作しました。 |
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