経済産業省 伝統的工芸品指定の産地




岩手県江刺市の岩谷堂(いわやどう)地区を中心に作られる箪笥で、鍛鉄の手打ち金具にケヤキなどの美しい杢目を使った漆塗り仕上げが特徴。昭和57年に伝統的工芸品に指定される。
産地の起こりは天明年間(1781〜1789)とされ、岩谷堂城主、岩城氏が築城工事に連れてきた大工により箪笥作りが伝えられたと言う。この地の古い箪笥には、錠前金具に蔦の葉、引手の座金に三蓋松や牡丹などをかたどったものが多い。

LINK  岩谷堂箪笥生産協同組合




加茂桐箪笥 (新潟県加茂市)

この地は、古くから材木の集散地として栄え、今から220年ほど前の天明年間に、丸屋小右ヱ門が大工のかたわら杉材で箪笥を作ったのが始まりと伝えられる。文政3年(1820年)頃には、桐箱や桐箪笥類が船積みされ、加茂川から信濃川に出て、新潟や東北方面へ移出されたといわれます。昭和51年に伝統的工芸品に指定。

LINK  加茂箪笥協同組合




春日部桐箪笥 (埼玉県春日部市周辺)

日光東照宮の造営に携わった工匠達が住み着き、地の結城桐を用いて長持や箱などを作ったのが桐指物細工の始まりとされ、桐箱は現在もこの地の特産品として有名。19世紀半ば頃から桐箪笥も作られ、明治期には総桐の重ね箪笥が大量に作られ、東京方面へ出荷された。昭和54年に伝統的工芸品に指定。




江戸指物 (東京都)

江戸幕府開府とともに全国から職人達を集め、神田、日本橋周辺に住まわせ職人町をつくったのが始まり。 現在も手造りの技術を受け継いで、桑、ケヤキ、桐などを用いて鏡台、火鉢、棚類など比較的小型のものを中心に作られている。作風は、町人の“粋”や梨園 (歌舞伎などの演劇) ・遊里の“華”を感じさせるものが多い。 平成9年に伝統的工芸品に指定。

LINK  江戸指物協同組合




松本家具 (長野県松本市周辺)

江戸後期から帳場箪笥や座敷机が多く作られ、江戸などに出荷されていた。こうした伝統的な加工技術を受け継いで、ミズメ桜や樺材など使った拭き漆塗りの家具が昭和51年に伝統的工芸品に指定される。

一方、戦後、柳宗悦の民芸運動の影響を受けた池田三四郎らが、欧米のクラシック家具のデザインを採り入れた独自の家具を開発し、「松本民芸家具」として新たな分野を開花させた。 但し、これは伝統的工芸品の指定でない。

LINK  松本家具工芸協同組合




名古屋桐箪笥 (名古屋市、春日井市など)

寛延三年(1750年)に書かれた「寛延旧家集」に慶長年間(1600年頃)に江戸より指物師が移住したとあり、19世紀初めころ桐箪笥も作られたとされる。昭和56年に伝統的工芸品に指定。




京指物 (京都市)

板と板を組む技術、「指し合わせる」仕事のことを指物(さしもの)と呼び、京都では古くから独特の技法が伝承された。こうした伝統を重んじた京風の木工技術で作られたものを京指物という。
京指物には、桐箪笥や飾り棚、文机などの調度指物と、茶の湯で使われる茶道具指物とに大別され、公家文化の“雅”や茶道の“寂”の世界の用具として発達した。昭和51年に伝統的工芸品に指定。

LINK  京都木工芸協同組合




大阪唐木指物 (大阪府及びその近隣)

唐木(からき)とは、紫檀(したん)、黒檀(こくたん)、鉄刀木(たがやさん)など東南アジア産の銘木を総称し、鎖国令中は、中国を経由して長崎に入荷され、これを香木等とともに大坂へ運び、唐木問屋で売りさばかれた。こうした貴重な材を用いて江戸中期から大坂で唐木指物が作られるようになり、北前船などによって各地へ流通した。唐木類は何れも堅い木なので、特殊な工具と加工技術を要した。昭和52年に伝統的工芸品に指定。




大阪泉州桐箪笥 (大阪府泉市、堺市など)

百姓たちが農業の副業として、付近に産出する黄蘗(きはだ)や桐を用いて簡単な箱などを作ったのが始まりで、江戸後期より桐箪笥も作られるようになり、明治にかけて産地が形成された。平成元年に伝統的工芸品に指定。




紀州箪笥 (和歌山市)

江戸の後期、紀州藩の振興を受けて杉や樅(もみ)などを使った塗り箪笥が作られていたが、まもなく桐を主体にした現在のような箪笥が作られるようになった。箪笥の縁などに装飾として唐木を用いているところに特色がある。昭和62年に伝統的工芸品に指定。

LINK  紀州箪笥協同組合








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